『長母寺』

東区矢田3丁目木ヶ崎公園

もう少し待てば桜の見応えがある場所です
公園横を北に向かって矢田川方向へ
 正面の小高い丘に石段と寺号標が現れます 
 山門へ続く石段の左は「無住国師入定地」の石標と寺号標
 どちらも長い年月で角が取れています

石段の先には鳥居が見えます
 山門へと続く石段を登っていきます
 石段の先は熱田社が祀られています
 
星崎城(現在の笠寺小学校)を築城した山田重忠が創建したと伝えられています

長母寺は1179年(治承3)山田重忠が母の菩提を弔うため
観勝法師を迎え天台宗桃尾寺と して創建
重忠は父・母・兄を長父寺(​大永寺​諸説あり)・長母寺・長慶寺(守山区小幡中2)
を建立したとも云われています

その後焼失するも、1262年(弘長2)長母寺と改め、鎌倉末期に無住国師(1226~1312)を迎え臨済宗へ改宗、無住国師(1226~1312)は50年間長母寺の住職を務め
この間「沙石集」をはじめ多くの著述をし尾張萬歳を始めたと言われる
 
熱田社から右に趣のある長母寺山門 が目の前に見えます
 こちらは1701年から1800年の江戸時代に建てられたもので
1999年に国登録有形文化財に指定されています
 重厚な瓦葺で間口4.8m、奥行き1.7mの山門
 重厚感のある瓦葺はやはりいいものです
 山門前の結界石には「不許酒肉五辛入門内」と彫られています
「酒や臭の強い物を持ち込んでは修行にならぬ」という内容でしょうか
……耳が痛い
 山門から境内は真っ直ぐ伸びたに参道の正面に本堂、右に庫裡 が顔を見せています
 境内の空間と建物のバランスがとてもいい
 長母寺本堂
 1894年(明治27)に再建されたもので、こちらも1999年に国登録有形文化財に指定されています
 写真上長母寺開山堂
無住国師の等身大の木像無住国師墨跡は重要文化財に指定されています
堂前に君が代で歌われる「さざれ石」が置かれています

写真下長母寺狐狸堂
1828年(文政11)に建てられたもの
本堂の東側に建ち、廊下で客間と接続しています
こちらは1999年に国登録有形文化財に指定されています
 上写真左は本堂破風飾り
下写真左は開山堂西側より東の屋根瓦を望む、右は庫裡前にある古井戸
 山門から境内に入ると左に弘法大師蔵が纏められている
 それ以外にも境内には多数祀られていて飽きる事はない 
 開山堂前の「さざれ石」は岐阜県揖斐川町から、北区の料亭「十洲楼」から寄贈されたものらしい
 君が代で歌われる「さざれ石」は各地にありますが、こうした石を指すようです

開山堂前にも多数の石像が祀られている
 写真下の左
明治中頃から昭和の始めの実業家で名古屋塩町の伊藤萬蔵氏寄贈の物
 境内至る所に名が刻まれ、全国に多くの石像物を寄進した

文化財もあり、境内と建築物のバランスの良さ、充分に満足できるお寺ではないかと思います
 今は長母寺の北を流れる矢田川
近隣には​矢田の渡し、
その対岸には宝勝寺等見所の多いところです​

長母寺
宗派 / 臨済宗
本尊 / 阿弥陀如来
創建 / 1179年(治承3)
住所 / 名古屋市東区矢田3-13-71

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