『下知我麻神社』 熱田神宮摂社


熱田神宮摂社『下知我麻神社』

こちらへの参拝は境内から訪れる事はできません。

熱田神宮西鳥居から境内を出て、西側の歩道を北に進み地下鉄「神宮西」に向かう事になります。



 西鳥居から北の『下知我麻神社』が鎮座する神宮西方向の眺め。
延喜式神名帳に尾張国、愛智郡鎮座の「下知我麻神社」と記された古社。


 地下鉄「神宮西」の2番出口、その右手前に西向きの神明鳥居が建つ。
このあたり、古くは東海道や七里の渡しから佐屋街道に向かう道筋、そうした事から旅の安全にご利益があるとされ古くから崇められて来たそうです。


 歩道から社頭の眺め。境内か境外か?となると、これは境内でしょう。
境内の一画を玉垣で囲った単独の神社、伽藍の関係もあるのでしょうが、なぜ境内からの参道が与えられなかったのかは分からない。


 下があれば上もある。
南鳥居の左側に上知我麻神社が鎮座しますが、元は市場町(現在の神宮2辺り)に鎮座していたといわれ、現在は境内のいい場所に遷座している。
上知我麻神社は、宮簀媛命の父親となる乎止與命(おとよのみこと)を祀り「源大夫社」とも呼ばれ、あまり好きな言葉ではないけれど式内社の分類。
ここ『下知我麻神社』も式内社で「紀大夫社」とも呼ばれ、祭神は真敷刀俾命(ましきとべのみこと)、宮簀媛命の母親を祀る。
なんで離れ離れなの?と感じてしまう、しかも境外からしか参拝できないとは。



 『下知我麻神社』全景。
内削ぎの千木と四本の鰹木が施され、熱田神宮では一般的な神明造。
創建は定かではありませんが、1362年(正平17)に造営、1692年(元緑5)、楠ノ御前社と同時期に造替られた記録があるそうです。


 倍返し。
ドラマの台詞じゃないけれど、ここ『下知我麻神社』と西鳥居から入って左の菅原社に面白い風習が伝わるそうです。
菅原社の祭神は学問の神、菅原道真公を祀り、こちらで参拝を済ませ、『下知我麻神社』に参拝の後に境内の石を持ち帰るのだそうだ。
願いが叶ったら戴いた石の倍の大きさの石を菅原社に「倍返し」で奉納するものらしい。
菅原社には倍返しで奉納された石がさぞかし山積されているのだろう。


 境内から鳥居方向を眺める、正面は国道19号線(伏見通り)。
歩いて旅する人の姿から、移動手段が車に変った今も、ここから道中の安全を見守っているようでもあります。

熱田神宮摂社 『下知我麻神社』
創建 / 不明
祭神 /   真敷刀俾命
住所 / 名古屋市熱田区神宮1-1
公共交通機関アクセス / 市営地下鉄名城線​​「神宮西」駅下車2番出口から南に徒歩1分
関連記事 / 上知我麻神社 楠御前社


コメント

人気の投稿