東区筒井1の小さな社は「屋根神様」

東区筒井1丁目
名古屋城の東に位置し、古くは武家屋敷、寺社も集まり、以降町人の町として賑わいを見せ、近くには尾張徳川家と所縁のある建中寺もあり、新旧の趣が混在する地域
建中寺公園の東にある小学校方向に歩いて1分程、細い三叉路に小さな社があります。
この筒井町は南に筒井町商店街が東西に続きますが、嘗て賑わいを見せた通りも今は人より車の往来の方が目に付き寂れた印象が漂います。

小学校の西側に位置し、三叉路の角に社が鎮座します。
以前は古びた覆屋と社だったけれど、近年建て替えられた様子。
 写真の先は建中寺公園になり、背後は小学校の裏門で周囲は住宅街。
静かで落ち着いた環境、その角地に僅かな社地を確保してもらい社が佇んでいます。
 東を向いて祀られる社は5本の鰹木と内剥ぎの千木が施された神明造。
以前は檜皮葺きの流造だったようです。
この社、以前は軒下に祀られていた屋根神さまだという。
屋根神様には秋葉神社、熱田社、津島神社の三社が祀られることが多いけれど、こちらは秋葉神社、津島神社とこの地の氏神「高牟神社」が祀られている。

人通りも少なく、雨に打たれる姿はどことなく寂れた感じが漂いますが、毎年6月の最終土日に行われる「筒井町・出来町天王祭」ともなれば様相は一変します。
小学校の北側に筒井町の山車「神皇車」が保管され、すぐ東の黒門町には「湯取車」もあり、何れも市の有形民俗文化財に指定されるものです。
天王祭ではそれらが曳き回され、この時ばかりは多くの見物客で賑わいます。
今年はCOVID-19の影響で開催されるかは微妙なところ、確認が必要です。
 社側面の眺め、覆屋の下に祀られる社は結構窮屈に収められています。
社の棟柱と覆い屋の梁は絶妙に加工されています。
地域の方々にこうして新しくしてもらい、親しまれているのを見ると窮屈に見えようが大きなお世話。

建て替えに伴い軒下から姿を消していく一方の屋根神様ですが、こうして残されている姿を見て、形容に困るけれど、ある種の優しさ?繋がり?みたいなものが伝わってくる。
我が町からとうに消え去ったものがここにはある。
2020/06/19

東区筒井1の小さな社
創建 / 不明
祭神 / 秋葉神社 津島神社 高牟神社
住所 / 名古屋市東区筒井1-13
公共交通機関アクセス / 市営地下鉄桜通線​「車道」1番出口から北へ徒歩10分程
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