『徹社(とおすのやしろ)』熱田神宮境内末社 

熱田神宮南門の鳥居から本宮に続く正参道、普通に参拝する場合はここを進む方が大半。
日割御子神社が鎮座する東参道に比べると当然参拝客は多く何より参道の幅が広い。

神秘的な雰囲気の漂う東参道と比較すると、杜に包まれていながら明るい印象が漂います。
写真は南新池から堀に架かる橋から「徹社」、南鳥居方向の眺め。



橋から堀の西側を眺めると石造りの反り橋が見えます「二十五丁橋」です。
「徹社」に向かう前にこの橋に寄り道。


「徹社」鎮座する正参道の前から西に小路がありそこを進むと先程の「二十五丁橋」です。
かつて神宮の堀に架けられていたそうですが、1936年に境内拡張に伴い解体、1955年この場所に移築されたものという。

二十五枚の花崗岩の板を組んで作られていることが二十五丁橋の由縁と云われています。
現在は渡る事は出来ませんが、優雅な曲線を描く橋と傍らに名古屋甚句の碑などがあり「これほど涼しいこの宮を誰が熱田と名をつけた」と歌われます、西行法師がこの地を訪れ当時の二十五丁橋に腰掛けて語った事が歌われたようです。
尾張名所図会にも描かれ、移築されていますが名古屋最古の石橋といわれます。
柔らかな曲線を描く反り橋です。
さて正参道に戻り、向かいの「徹社」へ


小路から正参道を挟んだ対面が熱田神宮境内末社の「徹社」

杜に包まれ佇む姿は東参道の神秘的な趣り社とは少し違うものを感じます。
何が違うと問われても言葉が見当たらない、広い参道に面し陽光の入りがいい事もあり妙に温もりの様なものを感じる。


「徹社」の祭神は天照大神和魂(にぎみたま)を祀ります。
神社の説明書きで「〇△神の和魂(にぎみたま)だとか荒魂(あらみたま)をお祀りする」とか書かれているのを見かけます、神や人には和魂、荒魂の二つの側面があるとされ、これに幸魂(さきみたま)と奇魂(くしみたま)も加え四つの側面とする概念(一霊四魂)もあるようですが、いずれもその側面をコントロールするのが直霊(なおれい)とされ、人が表す性格そのものかもしれません。

和魂は文字から想像できるように、平和、調和など温和で慈悲深い側面を司っています。
普段のかみさんでしょうです、その対極が荒魂で、おやじが悪さをした時に現れる。

温もりを感じる社の佇まいは、天照大神の和魂の働きなのかもしれない。


社殿の造は日割御子神社などと同様で神明造の社殿形式を踏襲している。
四本の鰹木と内削ぎの千木が施されています。
創建は元明天皇在位年間(707年~715年)とされ、現在の社殿は1963年(昭和38)に再建されたもの。



熱田神宮正参道のほぼ中央に鎮座する事もあり、東参道の社に比べると参拝に訪れる人も多い。


熱田神宮境内末社 『徹社(とおすのやしろ)』
創建 / 元明天皇在位年間(707年~715年)
祭神 /   天照大神和魂
住所 / 名古屋市熱田区神宮1
公共交通機関アクセス / 市営地下鉄名城線​「伝馬町」駅下車徒歩10分程
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